高橋まことの代名詞である力強いドラミングは、機材に対する徹底したこだわりによって支えられています。長年にわたりパール(Pearl)のドラムセットを愛用し、そのシェル(胴)の鳴りを極限まで引き出すセッティングを追求してきました。
特徴的なのは、ツーバスセッティングをベースとしながらも、過度な手数に頼らず、バスドラムとスネアドラムの1拍1拍を確実に沈み込ませる構造にあります。スネアの打面にはしっかりとしたテンションを掛け、アタック音が会場の最後列まで突き抜けるチューニングを施しています。
シンバルの高さをやや高めに配置し、腕を大きく振り下ろしてヒットするフォームは、視覚的にもロックのダイナミズムを体現しています。電子ドラムや打ち込み音源が主流となった現代の音楽シーンにおいて、彼が叩き出すアコースティックドラムの生々しい風圧と振動は、多くの後進ドラマーにとって生きた教科書であり続けています。