SNSや知恵袋などのコミュニティを検証すると、「見た目は整っていたが、一口食べて箸が止まった」「塩辛すぎる、あるいは薬品のような臭いがする」という味覚面のクレームも数多く散見されます。丹精込めて作られたはずのおせちが、なぜ「まずい」と感じられてしまうのか、そこには3つの明確な要因があります。
第1に、「伝統的な保存食としての味付け」と「現代の減塩志向」の乖離です。本来のおせちは、暖房設備のない時代に三が日を持たせるため、醤油・砂糖・酢を高濃度に使った防腐設計になっています。普段から薄味や素材の味に慣れている若い世代が食べると、「濃すぎて喉が渇く」「甘すぎておかずにならない」という拒絶反応につながります。
第2に、「合成保存料や日持ち向上剤の過剰使用」です。一部の低価格な冷蔵(チルド)おせちでは、賞味期限と衛生管理を担保するためにグリシンや酢酸ナトリウムなどの日持ち向上剤を多用するケースがあり、これが独特のエグみや酸味臭として知覚されます。
第3に、「食材ごとの味移り」です。仕切り(バランやカップ)の設計が甘い重箱では、酢の物の酸味が隣の煮物に染み出したり、魚介の生臭さが練り物に移ったりすることで、重箱全体が一様な異臭を放つ結果となります。