消防の現場装備には似た名称が多く、一般には混同されがちです。現場の任務と安全基準に応じて明確に使い分けられています。
まず、「防火服」と「防火衣」は基本的に同義語であり、消防組織やメーカーによって呼称が異なるものの、JIS T 8115「防火服」規格に準拠した装備を指します。一方、「耐火服」と「防火服」には決定的な違いが存在します。
耐火服は、表面が銀色のアルミ蒸着素材などで覆われた特殊装備です。航空機火災や石油化学コンビナート火災など、極端に強烈な輻射熱が発生する現場で短時間の進入任務に用いられます。熱放射の反射能力に特化している反面、重く通気性がないため長時間の消火活動には不向きです。
対して平時に隊員が着用している紺色やオレンジ色のユニフォームは「活動服」と呼ばれます。活動服は救助活動や日常業務の機動性を重視した難燃・制電素材であり、火災の建物内部へ進入する耐熱性能は備えていません。火災出動時には、この活動服の上から重量約3kg〜4.5kgの防火服、空気呼吸器(約10kg)、ヘルメット、ホース等の装備を身につけ、総重量20kg近い負荷を背負って突入します。