本作や続編の噂に関して、ネット上ではいくつか事実と異なる誤解が定着しています。映画をより深く理解するために、代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
まず第1の誤解は、「大爆死したから続編が作られない」という言説です。前述の通り、製作費約1億5,000万ドルに対して全世界興収4億3,300万ドルを記録しており、興行面では十分な黒字を達成しています。スタジオが続編を急がないのは採算の問題ではなく、脚本のクオリティ管理と主要キャスト(多忙を極めるライアン・レイノルズら)のスケジュール調整が主因です。
第2の誤解は、「ピカチュウの声は最初から最後まで全部ライアン・レイノルズ(西島秀俊)だった」という思い込みです。作中でティム以外の人間がピカチュウの声を聴く場面では、アニメ版でおなじみの声優・大谷育江による「ピカピカ」というオリジナルボイスが使用されています。ティムの耳にだけおっさんの声として届いていたという音響演出の妙であり、日米ともに大谷育江の音声と見事に融合させたハイブリッド構成が採られていました。
第3の誤解は、「ゲーム版の続編が出たから映画の続編企画は消滅した」というものです。任天堂および株式会社ポケモンは、ゲーム、アニメ、実写映画を独立したメディアミックスとして並走させています。ゲームの完結はあくまでソフトウェア開発のサイクルに沿ったものであり、ハリウッド側の映画化権を持つレジェンダリーの企画進行とは別ラインで動いています。