日本屈指の売上と動員力を誇るLDHが、なぜ頑なに株式上場を選ばないのか。そこにはエンタテインメント企業特有の経営哲学と、極めて合理的なビジネス判断が存在します。
最大の理由は、「短期的な四半期利益」を求める外部株主の圧力からクリエイティブを守るためです。上場企業となれば、毎四半期の決算ごとに売上増や利益率の改善を投資家から厳しく追及されます。しかし、新人アーティストの発掘・育成や、数万人規模のドームツアーを支える舞台演出、世界水準のトレーニング環境の整備には、数年単位の先行投資と大胆なリスクテイクが欠かせません。
もし上場して外部株主の声が強くなれば、「採算性の低い若手プロジェクトの縮小」や「手堅く利益が出るグッズ販売への過度な依存」などを求められ、LDHが掲げる「Love, Dream, Happiness」の理念や世界観が損なわれる危険性があります。HIRO氏が全権を握る非上場体制だからこそ、迅速かつ妥協のないエンタメ投資が可能になっているのです。