原宿の古着シーンには、独自の歴史的文脈がある。90年代、裏原宿から世界へ向けて発信されたストリートカルチャーの爆発だ。その中心にいたのが藤原ヒロシであり、NIGOだった。彼らが手掛けた当時のグラフィックTシャツや限定スニーカー、ミリタリーのサンプリングウェアは、いま「裏原アーカイブ」として世界中のユースの間で神格化されている。
この動きは、日本のリユース・ヴィンテージ衣料産業全体を底上げする原動力となった。単なる廃棄物削減やエコという枠組みを超え、日本の古着マーケットは世界で最も品質管理と真贋判定が厳格な「信頼のハブ」として君臨している。30年前のストリートの遺伝子が、現在の古着屋でプレミアムな価値を帯びて循環しているのだ。