自衛隊の結婚式が「一生の記憶に残る」と語り継がれる最大の要因は、国家の規律を背負う組織ならではの儀礼とビジュアルの力にあります。普段の迷彩服や作業服から一変し、正装である特別儀礼服(礼服)に身を包んだ新郎(または新婦)の姿は、会場の空気を一瞬で引き締めます。
陸・海・空の各自衛隊によって制服のデザインは異なり、陸上自衛隊の格式高いダークトーン、海上自衛隊の凛とした濃紺や夏期のスマートな白、航空自衛隊の洗練されたエレガントなブルーと、それぞれの個性が際立ちます。肩や袖口に輝く階級章や金糸のモールは、これまで任務に捧げてきた誇りの象徴でもあります。
式中のハイライトとして名高いのが、同僚や同期隊員が整列して刀を掲げるサーベルアーチです。新郎新婦がサーベルの刃門をくぐる儀式は、「これからの二人の行く手を阻む困難を切り開き、平和な家庭を築く」という深い誓いが込められています。さらに披露宴では、一般的なナイフではなく儀礼刀を用いたケーキ入刀(サーベルカット)が選ばれるケースも多く、そのダイナミックな光景にゲストから大きな歓声が沸き起こります。