木へんに冬と書く「柊」の読み方と由来|名付けの評判や節分の謎を徹底解剖

木へんに冬と書く「柊」の読み方と由来|名付けの評判や節分の謎を徹底解剖

木へんに冬と書く「柊」の読み方と由来|名付けの評判や節分の謎を徹底解剖の特集記事をお届けします。専門的な知識が満載です。

ネット上の情報やSNSで頻繁に見られる大きな誤解が、「クリスマスのヒイラギ」と「節分のヒイラギ」を同一の植物だと思い込んでしまう現象です。街中で見かけるクリスマスリースにあしらわれた赤い実をつける植物を、そのまま日本のヒイラギだと思い込んでいる人は少なくありません。

植物学的には、両者は科(Family)のレベルから全く異なる「赤の他人」です。

  • 日本のヒイラギ(柊):
    モクセイ科モクセイ属(学名:Osmanthus heterophyllus)。
    葉は対生(茎の同じ節から2枚の葉が向かい合って生える)。
    11〜12月頃にキンモクセイに似た芳香のある「白い花」を咲かせ、翌年の初夏に「黒紫色(暗紫色)の実」をつけます。赤く熟すことはありません。
  • クリスマスのヒイラギ(セイヨウヒイラギ/クリスマスホーリー):
    モチノキ科モチノキ属(学名:Ilex aquifolium)。
    葉は互生(茎の節ごとに1枚ずつ交互に生える)。
    春(初夏)に花が咲き、冬の12月頃に熟すのが鮮やかな「真っ赤な実」です。

日本の節分で使うべきなのは、モクセイ科の「本物のヒイラギ」です。もし赤い実のついた枝を飾っているとすれば、それは園芸用の西洋ヒイラギか、あるいは同じモチノキ科のヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)です。

もう一つの知られざる生態学的トリビアとして、「ヒイラギは年老いるとトゲが消える」という事実があります。ヒイラギの幼木や若い枝の葉には鋭い鋸歯がびっしりと並んでいますが、樹齢を重ねて大木になり、樹高が高くなると、上部の葉はトゲを失い、丸みを帯びた滑らかな全縁(滑らかな卵形)へと変化していきます。これは、シカなどの草食動物に葉を食べられる心配がなくなる高さに成長したためと考えられています。「若いうちはトゲトゲしく尖っていても、年齢を重ねると角が取れて丸く円熟する」というヒイラギの樹勢変化は、人間の成長過程にも例えられる深い自然の教訓です。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。