「昔は冬になると足の先からジワジワと冷気が這い上がってくるような特有の寒さがありましたが、ここ1〜2年はコートを1枚減らしても平気な日が増えました」——祇園で老舗和菓子店を営む70代の店主は、首を傾げながらそう語る。
気象庁の長期データ分析によれば、京都盆地特有の放射冷却現象による過度な「底冷え」現象は、2020年代半ばから急速に緩和している。都市化によるヒートアイランド現象と地球規模の気温上昇が複合的に作用し、夜間の最低気温が低下しにくくなっているためだ。冬の風物詩であった「うっすらと雪化粧した金閣寺」を目撃できる機会は年々減少し、2026年の冬においては積雪を観測した日が過去最低レベルを更新する勢いを見せている。