長年この街を取材し続けてきた筆者の目から見ても、現在の加熱ぶりは際立っている。行列必至の代表格として真っ先に名が挙がるのが「らーめん 鴨と葱」だ。同店が誇るスープの秘密は、余計な調味料を一切削ぎ落とし、「鴨・水・葱」のみで引き出した究極の純粋さにある。国産鴨をじっくりと煮出し、鴨油の澄んだコクと輪郭のある旨味を凝縮させたスープは、一口飲めば概念を覆される。毎月入れ替わる全国各地の厳選葱と、数量限定で提供される季節の特別メニューは、早朝から並ぶ愛好家たちの心を捉えて離さない。
一方で、重厚かつ濃密なインパクトで独自路線をひた走るのが「麺屋武蔵 武骨」だ。漆黒の豚骨スープは、見た目の衝撃を裏切るまろやかさと深みを併せ持つ。極厚のチャーシューと太麺が絡み合う一杯は、ガツンと胃袋を満たしたい客を魅了し続けてきた。限定の自家製ラー油を効かせた痺れ系メニューなど、定期的に投下される挑戦的な限定麺は、常にSNSや口コミで話題をさらっている。