かつてかわぐちかいじ原作の映画『空母いぶき』で描かれた危機シナリオは、エンターテインメントの域を超え、現実の安全保障論議と重なり合う部分が増えている。しかし、現実の防衛が直面する課題は、物語の中の戦闘場面以上に泥臭く複雑だ。
最前線を支える国内の防衛産業は、撤退する企業の増加やサプライチェーンの弱体化という厳しい局面に晒されてきた。国家の防衛力を維持するには、戦闘機や護衛艦を作る技術力だけでなく、それを裏から支える下請け企業や基幹部品の国産化が不可欠となる。官民一体となった防衛基盤の再構築と海外との防衛装備・技術協力の推進は、もはや待ったなしの状況だ。