「オーブンを使わないからといって、味が妥協されるわけでは決してありません」
世界的なパティシエとして知られる辻口博啓氏は、ノンオーブンスイーツの可能性についてそう語る。辻口氏によると、チョコレート作りの成否を分けるのは焼き加減ではなく、油分と水分が均一に混ざり合う「乳化(エマルジョン)」の状態だという。
「電子レンジ調理や湯せんを活用する際、最も重要なのは温度管理です。チョコレートの温度が50度を超えると分離し、ザラついた食感になってしまう。45度前後で優しく溶かし、水分との比率を正しく保てば、オーブンの熱をかけずとも極上のなめらかさを引き出すことができます」