時計の針を少し戻してみよう。ブームの始まりはあまりにも鮮烈だった。ニンテンドー3DS向けに発売されたソフトは爆発的な売上を記録し、関連玩具の「妖怪メダル」は全国の店舗で即日完売が続出。映画化の波も凄まじく、2014年公開の『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン』は興行収入78億円を超える異例の大ヒットを樹立した。当時のゲーム業界において、その存在感は他を圧倒していた。
しかし、失速の引き金となったのは、皮肉にもその超スピード開発と過密な商品供給だった。短いサイクルで新バージョンのゲームを投入し、メダルの仕様を頻繁に更新する展開は、次第にユーザーや保護者への経済的・精神的負担となっていった。さらにハードの世代交代期、Nintendo Switchへの移行タイミングで新作開発の難航やスケジュールの遅れが重なったことが決定打となる。消費のサイクルが早すぎた結果、ターゲットである子供たちの関心が移り変わるスピードを止められなくなったのだ。