韓国映画界における現代ノワールの歴史を語る上で、映画『毒戦 BELIEVER』のブライアン役を外すことはできない。不気味な新興宗教の指導者を思わせる独特のヘアスタイルと、狂気を孕んだねっとりとした台詞回し。彼は単なる悪役を超えた「恐怖の象徴」を構築してみせた。
さらに、朴勲政(パク・フンジョン)監督とのタッグで話題を呼んだ映画『暴君』では、冷徹な元エージェント・ジャギョン役として過酷なアクションに挑んだ。50代とは思えぬ切れ味鋭い肉体美と、標的をどこまでも追い詰める執念の演技は、観る者の息を呑ませる。過剰な説明を削ぎ落とし、身体表現と鋭い眼光だけでキャラクターの過去を語る技量は、まさに職人技と言える。