突然の失神は完全房室ブロック?心電図・原因とペースメーカー適応

突然の失神は完全房室ブロック?心電図・原因とペースメーカー適応

突然の失神は完全房室ブロック?心電図・原因とペースメーカー適応の詳細について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

心臓は、右心房にある「洞結節(どうけっせつ)」がペースメーカーとして規則的な電気信号を発生させ、それが「房室結節(ぼうしつけっせつ)」を経由して心室全体へ伝わることで、リズミカルに収縮を繰り返しています。この電気の通り道に何らかの障害が生じる病態を房室結節伝導障害と総称します。

臨床現場において「3度房室ブロック」と「完全房室ブロック」という2つの呼称が使われますが、医学的には完全に同義です。房室ブロックはその重症度に応じて1度、2度、3度に分類されており、最も深刻な最終段階がこの完全房室ブロック(3度房室ブロック)に該当します。

完全房室ブロックを発症すると、心房からの刺激が心室へ一切伝わらなくなります。心室は自発的に動くバックアップ機構である「補充収縮(ほじゅうしゅうしゅく)」を開始しますが、その拍動リズムは極めて遅く、毎分30〜40回程度まで低下します。これが、生命維持に必要な血流量を著しく損なう原因となります。

心電図波形には、極めて特徴的な所見が現れます。心房の興奮を示す「P波」と、心室の収縮を示す「QRS波」が互いに一切の関連性を持たず、完全に独立した周期で出現する「房室解離(ぼうしつかいり)」が記録されます。P波の出現間隔(PP間隔)とQRS波の出現間隔(RR間隔)はそれぞれ規則的ですが、両者が同期することはありません。さらに、補充収縮の発生部位が心室深部になるほどQRS波の幅が広くなり、心拍はより不安定になります。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。