インターネット上の登山フォーラムやSNSで頻繁に議論されるのが、「長野側(川上村側)から大弛峠へ普通車で抜けられるのか」という問題です。現場の路面状況を検証した結論から申し上げると、長野側の未舗装路区間(約9km)への普通車・ミニバン・低車高車の進入は極めて危険であり絶対に避けるべきです。
長野側の林道川上牧丘線は、度重なる豪雨や雪解け水によって路面中央に深さ20cm〜40cm以上の洗掘溝(クレバス状のえぐれ)が形成されています。さらに、尖ったこぶし大〜頭大の浮石や岩盤が剥き出しになっており、最低地上高が200mm未満の一般的なセダンやコンパクトカーでは、ほぼ確実に下回りをヒットします。
過去のレッカー救援記録や現地ドライバーの証言では、以下のような重大トラブルが毎年報告されています。
- オイルパンおよび燃料タンクの破損:岩に下回りを強打し、エンジンオイルが全量流出して走行不能に陥るケース。
- サイドウォールのバースト:鋭利な角を持つ砕石を踏み抜き、タイヤ側面が裂けてスペアタイヤ交換も不可能な状態になる事例。
- スタックによる脱出不能:登坂時の段差でタイヤが空転(対角スタック)し、携帯電話の電波が届かない谷底で孤立する事態。
長野側から登坂・下山が可能なのは、スズキ・ジムニー、トヨタ・ランドクルーザーといった本格クロスカントリー4WDや、地上高を十分に確保したオフロードバイクに限られます。いわゆる「街乗り向けクロスオーバーSUV」であっても、アプローチアングルや腹下のクリアランス不足によりバンパーを破損する事故が多発しています。金峰山登山や峠ドライブを目的とする場合は、必ず山梨県山梨市側(中央道・勝沼ICまたは一宮御坂IC経由)からの完全舗装ルートを選択してください。