キャベツ1玉の価格に一喜一憂し、オリーブオイルの棚の前で立ち止まる。2026年になってもなお続く食品価格の変動は、日々の献立作りにさらなる制約を課した。「食べたいもの」を作るのではなく、「予算内で傷む前に使い切れるもの」を逆算しなければならない。
フードロスへの罪悪感もプレッシャーに拍車をかける。野菜室の隅でしなびかけの小松菜を発見したときの敗北感。使い切れずに賞味期限を迎えた合わせ調味料。経済的な防衛と食材の有効活用という二重のプレッシャーが、かつてはクリエイティブだったはずの調理を「在庫処理タスク」へと変えてしまっている。