ネットサーフィンとは、Webページ内に埋め込まれたハイパーリンク(リンク)を次々とクリックして辿り、波乗り(サーフィン)をするかのように広大な情報空間を連続して閲覧していく行為を指します。
英語表記では「Net surfing」あるいは「Surfing the Internet」「Web surfing」と記されます。この印象的なメタファー(比喩)を世界で初めて公に提唱したのは、アメリカ・ニューヨーク州の図書館司書であったジーン・アーマー・ポリー(Jean Armour Polly)氏です。
彼女は1992年6月、ミネソタ大学の学術刊行物に『Surfing the INTERNET: An Introduction』と題したインターネット入門記事を寄稿しました。当時、情報通信の黎明期にあって、ネットワーク上を跳び回りながら目的外の思わぬ知見に出会う体験を、彼女自身の愛用していたサーファー柄のマウスパッドから着想を得て「波乗り」になぞらえたと記録されています。
1990年代初頭のネットワークは、テキストベースのGopherや電子掲示板が主流でした。しかし、1993年に画像と文字を同時に表示できる世界初の本格的グラフィカルWebブラウザ「NCSA Mosaic」が登場し、さらに1994年の「Netscape Navigator」、1995年の「Windows 95」の世界的爆発によって、Webサイト巡回の歴史と経緯は決定的な転換点を迎えます。
どこに漂着するか分からないリンクをクリックし続けるスリリングな感覚は、まさに荒波の上をバランスを取りながら滑走するサーフィンそのものでした。こうして誕生した概念は瞬く間に海を越え、日本のメディアや一般家庭の間でもインターネット利用を象徴する流行語として深く定着していきました。