大手回転寿司チェーン(スシロー、くら寿司、はま寿司など)が発表する人気ネタランキングにおいて、サーモンは10年以上にわたり不動の1位を記録し続けています。かつて寿司の王様といえば本マグロの赤身や中トロでしたが、現代の日本の外食シーンにおいてサーモンが圧倒的支持を集める理由は、味覚構造と食文化の変化にあります。
第一の理由は、脂の融点の低さと豊かな甘みです。サーモンの脂質はマグロのトロに比べて口の中で溶けやすく、特有のまろやかなコクがシャリ(酢飯)の酸味と抜群の調和を生み出します。魚特有の生臭さや血生臭さが極めて少ないため、幼少期から生魚に馴染むエントリーフードとしても機能しています。
第二に、多様な創作アレンジを受け止める圧倒的な懐の深さが挙げられます。「炙りチーズサーモン」「焼きハラス」「オニオンサーモン(マヨネーズ添え)」など、伝統的な寿司の枠組みを超えた洋風・創作アプローチと相性が良く、若年層や女性層、さらには訪日外国人観光客まで幅広い層の支持を盤石なものにしました。