アジア圏で積極的な攻勢を仕掛けるTim Hortonsが、なぜ世界有数の経済規模を誇る日本への進出に慎重なのか。ティムホートンズの日本上陸が実現しない理由には、日本の外食市場特有の構造的要因が深く絡んでいます。
最大の要因は、国内カフェ・ドーナツ市場の圧倒的な寡占と過密です。ドーナツカテゴリーにおいては、ダスキンが運営する「ミスタードーナツ」が半世紀以上にわたって確固たるブランドとリーズナブルな価格設定を確立。カフェカテゴリーにおいても「スターバックス」や「コメダ珈琲店」、さらには100円台で高品質なドリップコーヒーを提供する大手コンビニエンスストアが全国津々浦々に張り巡らされています。
さらに、親会社であるレストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)が求める「マスターフランチャイズパートナー」の選定ハードルの高さも挙げられます。日本市場で大規模なサプライチェーンを構築し、過酷な競争を勝ち抜ける強力な国内パートナー企業との合意形成には膨大な投資と緻密な戦略が求められるため、参入判断が極めて慎重になっているのが実情です。