「なぜ特定の芸能人や著名人が、一般人には入手困難な砂かぶり席の最前列を毎場所のように確保できるのか?」という疑問は、視聴者が最も抱きやすい謎のひとつです。これには大相撲特有の「維持員制度」と座席の販売区分が深く関係しています。
砂かぶり席と呼ばれる「溜席(たまりせき)」は、国技館の土俵を取り囲む最も格式の高いエリアです。ここには一般販売される席と、相撲協会に多額の寄付を行っている「維持員(いじいん)」に割り当てられる席が存在します。日本相撲協会の公式規定および寄付金制度の資料によると、維持員になるためには法人・個人を問わず数百万円規模の寄付金(東京場所の場合、6年分一括前納で約400万〜500万円前後が目安とされる)を納め、協会の審査を経る必要があります。
芸能人が維持員席に座っている理由は主に3つあります。
- 本人自身が維持員(または後援会長)である場合:長年相撲界に貢献してきた大御所芸能人や実業家自身が権利を保有しているケース。
- 維持員である有力企業・タニマチからの招待:部屋の筆頭後援者や大企業の役員が、親交のあるタレントや俳優に「維持員証(入場券)」を譲渡・招待しているケース。
- 公式ファンクラブ等の先行抽選による自力当選:近年は一般向けの溜席も一部抽選販売されており、相撲好きの芸能人が正規ルートで自ら購入して来場するケース。
一般のマス席やイス席と比較した場合の、溜席・維持員席の客観的スペックは以下の通りです。
このように、向正面の砂かぶり席に座っている人物は、相撲界に莫大な資金的支援を行っている「東京溜会」「大阪溜会」などの維持員関係者か、極めて高い抽選倍率を突破した熱心なファンに限られているのが実情です。