小池氏側が一貫して防壁としてきたのが、カイロ大学文学部社会学科が発行したとされる卒業証書と卒業証明書、そして駐日エジプト大使館のFacebook等で公開されたカイロ大学声明です。
2020年6月、学歴詐称疑惑が都議会で激しく追及された際、小池氏は定例記者会見の場などで公式な証明書類の存在を強調。「カイロ大学側が公式に卒業を認めている以上、外野が疑義を挟む余地はない」という論理を展開しました。行政法・国際法上、主権国家の国立大学が正規の手続きを経て発行した証書であるならば、第三者がその効力を法的に無効化することは極めて困難です。
しかし、ジャーナリストやアラブ研究者による分析では、提出された文書の書式、スタンプの形状、アラビア語の記載順序、サインの筆跡などに通常の卒業証書とは異なる複数の不自然な点が指摘されています。公式文書としての形式的効力を持つ一方で、どのような学業実態に基づいて発行されたのかという実質的根拠については、大学側の正式な成績開示がなされない限り客観的な検証ができない構造となっています。