岩手県八幡平市松尾に位置する藤七温泉は、古くは坂上田村麻呂東征時の発見説や、藤七と名乗る木こりが山中で見出したという伝承が残る歴史深い湯処です。昭和34年(1959年)9月3日には環境庁(現・環境省)より国民保養温泉地に指定され、現在は「日本秘湯を守る会」の会員宿としても全国にその名を轟かせています。
最大のストロングポイントは、なんといっても標高1,400mという圧倒的なロケーションと、加工を一切施さない完全源泉かけ流しの単純硫黄泉です。地下から湧き出る温泉水はほのかに青みがかった白濁色を呈し、特有の硫黄臭が漂います。浴槽の底にはミネラル分を豊富に含んだきめ細やかな火山性の泥が堆積しており、美肌効果やデトックスを求める湯治客から絶大な支持を集めています。
主な泉質と適応症(効能)は以下の通りです。
- 泉質:単純硫黄温泉(硫化水素型 / 低張性中性高温泉)
- 泉温:約60〜80℃(湧出地点により異なる)
- 主な適応症:慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、高血圧症、神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性
大地が呼吸するように浴槽底部の板間やすのこからポコポコと気泡とともに湯が湧き出る「足元湧出」は、空気に触れて酸化する前のフレッシュな成分をダイレクトに肌で吸収できる贅沢な構造といえます。