ネット上の体験談や動画共有サイトでは「公園に行けば手軽にいくらでも捕まえられる」といった軽快な情報が拡散されがちですが、ここには法規上の重大な落とし穴が存在します。近年、一部地域での商業目的や過剰な乱獲が社会問題化し、自治体による公園セミ採取禁止ルールの導入が急速に進んでいるのが実情です。
例えば、埼玉県川口市や東京都内の一部の区立公園では「セミやその幼虫の採取を禁止する」旨の注意看板が明示的に設置されています。都市公園法第12条や各自治体の都市公園条例に基づき、公園内の動植物をみだりに捕獲・損傷する行為は規制対象となり得ます。看板が設置されていない公園であっても、公序良俗に反する大量捕獲や、夜間に懐中電灯で植栽を踏み荒らす行為は、近隣住民からの通報や管理者からの退去警告に発展する事例が後を絶ちません。
「自然のものだから誰がどれだけ獲っても自由」という認識は明白な誤解です。採取を検討する際は、訪れる予定の緑地や公園の管理事務所に電話で採集規定を事前確認するか、原則として私有地(地権者の許可を得た山林など)で行うことが、現代の愛好家に求められる最低限のコンプライアンスと言えます。