ネット掲示板やSNSでは、派手な応援姿や歯に衣着せぬ発言ばかりが切り取られ、「過干渉なステージママ」「息子に執着する毒親ではないか」といった冷ややかな言説が散見されました。しかし、こうしたステレオタイプな批判には大きな盲点があります。
現場を知る体操関係者は、内村周子氏の指導法を「放任と徹底観察の高度なバランス」と評します。幼少期の航平氏に対し、彼女は一度も「練習しなさい」と強制したことがありませんでした。スポーツクラブ内山では、トランポリンやマットを自由に使わせ、遊具感覚で身体を動かす快感を徹底的に刷り込んだのです。技術指導を厳しく施すよりも、「体操が好きでたまらない」という内発的動機付けを育むことに腐心していました。
世間が抱く「息子の栄光にすがる母親」というイメージも事実と異なります。彼女自身が50代を過ぎてからマスターズ大会で床運動や跳馬に挑み続けた理由は、「息子に誇れる自分でありたい」「子どもに挑戦を説くなら、親自身が挑戦者でなければならない」という強烈な自己規律からでした。息子を踏み台にするステージママとは根本的に異なり、彼女自身が一人の独立したアスリートだったのです。
近年のSNSやコミュニティの論調でも変化が見られます。テレビ出演が引いたことで、かつてのバッシングは影を潜め、「60代であの肉体と柔軟性を保っているのは純粋に尊敬できる」「息子の離婚騒動で一切余計なことを言わなかったのは立派だった」という再評価の声が知恵袋や動画コメント欄でも多数を占めるようになっています。