この独自の霊媒文化は、大正から昭和にかけて日本の学術界からも強い関心を集めた。「日本民俗学の父」と称される柳田國男は、沖縄の島々に残る言語や伝承の中に日本文化の古層を見出し、熱心な調査を行った。柳田の研究をはじめ、日本民俗学会における長年の調査・分析を通じて、ユタは単なる迷信の対象ではなく、地域共同体の精神的平穏を保つための不可欠な社会的機能を担ってきたことが明らかにされている。
民俗学の知見によれば、近代医療や心理学が普及する以前、解明不能な病や家庭の不和に対する「意味付け」を与える役割を彼らが果たしていた。孤立した個人の苦しみに共同体の文脈を与え、祈りを通じて再統合を図るプロセスは、現代の精神療法にも通じる先人の知恵と言えるだろう。