成蟜というキャラクターの魅力は、映像化作品におけるキャスティングの素晴らしさによっても爆発的に増幅されました。
実写映画版第1作『キングダム』において成蟜役を演じたのは俳優・本郷奏多氏です。原作初期の傲慢不遜でサディスティックな表情、見下すような冷たい視線を見事に体現し、「原作からそのまま抜け出してきた」「本郷奏多以外に成蟜は務まらない」と映画ファンや原作読者から満場一致の絶賛を浴びました。この怪演が高く評価され、本郷氏は第43回日本アカデミー賞において優秀助演男優賞を受賞しています。
一方、テレビアニメシリーズで成蟜の声を担当した声優・宮田幸季氏の演技も見逃せません。初期の甲高い小憎たらしいトーンから、合従軍編や屯留の乱で見せた重みのある王族の低音ボイスまで、心理的成長に伴う声色のグラデーションを見事に表現。メディアミックスの双方において、トップレベルの表現者が成蟜の立体的な造形を支えたといえます。