中央道の上り線において、最大の難所として立ちはだかるのが東京都と神奈川県の境に位置する小仏トンネルだ。ここでの速度低下は、偶然でも事故のせいでもない。道路構造そのものに起因する物理的な必然である。
専門家が指弾するのは、トンネル手前に存在する「サグ」と呼ばれる下り坂から上り坂へ転じる凹部だ。ドライバーが無意識のうちにアクセルをゆるめ、車両の速度が低下する。後続車が追突を避けるためにブレーキを踏み、その波動が後方へと連鎖反応を引き起こす。さらに、明かり部から暗いトンネル内へ進入する際の心理的圧迫感が、ドライバーの足元を無意識に躊躇させる。この二重の要因が重なることで、通行能力は一気に低下し、巨大な車の壁が完成するのだ。