Netflixをはじめとする定額制動画配信サービスが完全に定着した現代、映画興行業界およびシネマコンプレックスは「家では味わえない価値」の提供にしのぎを削っている。映画をただ観せる場所から、五感全てでエンタテインメントを味わう空間への変容において、飲食の役割はかつてないほど高まった。
家庭のリビングでは決して再現できない、できたてのフレッシュなフレーバーポップコーンの香りや、巨大スクリーンと連動した五感を刺激する飲食メニューは、劇場へ足を運ぶための強力な動機付けとなっている。デジタル配信との差別化を図るうえで、コンセッションは今や劇場の収益柱としてだけでなく、映画体験の質を向上させる核心的要素なのだ。