弟のヒビトが天才的なスピードで宇宙へと駆け上がる一方で、兄のムッタは会社を解雇され、コンプレックスに苛まれるところから物語は始まった。どこか要領が悪く、自分の才能を信じきれないムッタの姿に、自分自身を重ね合わせた読者は無数に存在する。
「ウジウジ悩んでもいい、止まってもいい。それでもまた一歩前に進めばいい」。ムッタが作中で見せた泥臭い葛藤と、泥の中から這い上がるしぶとさ。完璧ではない人間が泥まみれになりながら夢を叶えていくプロセスこそが、この作品の真の価値であり、最終話でもそのメッセージは変わらず強く響いている。