本作を語る上で欠かせないのが、ヒロインを支えた魅力的な男性キャラクターたちです。大阪経済の父・五代友厚を演じたディーン・フジオカは、流暢な英語力と気品漂う佇まいで一世を風靡しました。志半ばで病に倒れる第15週(第86話)の放送後には、視聴者の間に「仕事が手につかない」「立ち直れない」という声が殺到し、「五代ロス」という言葉が社会現象化。この熱烈な反響を受け、後の回想シーンで異例の再登場を果たす事態となりました。
一方で、あさの夫・白岡新次郎を演じた玉木宏の存在感も絶大でした。道楽者に見えながらも、常に妻の最大の理解者として影から支え、時に的確な助言を与える「究極のフェミニスト夫」の造形は、従来の封建的な家父長制の枠組みを鮮やかに覆しました。三味線を爪弾きながら「あさ、お前は思い切ってやりなはれ」と優しく包み込む新次郎の包容力は、多くの視聴者を虜にし、作品の精神的支柱となりました。