斉藤壮馬の演技力を語るうえで欠かせないのが、読書家としても知られる彼自身の深い教養と洞察力だ。台本を読み込み、キャラクターのバックボーンや言葉の裏に隠された意図を論理的に分解したうえで感情を乗せるアプローチは、声優業界内でも高く評価されている。
彼が創り出すキャラクターボイスには、独特の「間」と「響き」がある。息遣い一つで緊張感を創出し、静寂をも演技の一部に変えてしまう技術。81プロデュースでのキャリアを通じて磨かれたその基礎体力があるからこそ、一見対極にあるような役柄であっても、リアリティをもって作品世界に定着させることができるのだ。