「夜、寝ている最中に手の激痛で目が覚める」という症状は、手根管症候群の典型的なサインであり、患者の睡眠の質を著しく低下させる要因だ。人は就寝時、無意識に手首を内側に折り曲げる傾向があり、これによって手根管内の圧力が平常時の数倍にまで上昇してしまう。
この夜間痛を劇的にブロックするのが、夜間専用の手首固定器具「ナイトスプリント」である。手首を中間位に固定して入眠するだけで、夜間の手根管内圧の急上昇を抑え、神経への血流障害を防ぐことができる。さらに、就寝前に前述の「大陵」や「内関」のツボを温めながら穏やかに指圧することで、自律神経の交感神経優位を抑制し、痛みの閾値を引き上げる相乗効果が得られる。夜間の痛みさえコントロールできれば、組織の自己修復能力が最大限に発揮される環境が整うのだ。