名古屋のカルチャー発信地である大須で生まれた「ソロ ピッツァ ナポレターナ」の軌跡を語る上で欠かせないのが、総料理長である牧島昭成(まきしま あきなり)氏の存在です。牧島氏はナポリピッツァの原点と伝統を学ぶため幾度もイタリアへ渡り、現地の名門ピッツェリアで過酷な修行を積みました。その結晶が、2010年ナポリで開催された「第9回 カプート杯 世界ピッツァ職人選手権(Campionato Mondiale del Pizzaiuolo)」S.T.G.(メインとなる伝統的特製保証ナポリピッツァ部門)における外国人初の優勝という快挙でした。
当時の特番インタビューや手記において牧島氏は、「ピッツァは一部の富裕層が気取って食べる高級料理ではなく、ナポリの路地裏で誰もが片手に持って頬張るソウルフードであるべきだ」と語っています。この強い信念こそが、従来の日本のイタリア料理界で主流だった「高価格なピッツァ」という常識を根底から覆す原動力となりました。
店舗の中央に鎮座する巨大なナポリ直輸入の薪窯は、およそ450〜500度の超高温を維持しています。熟練のピッツァ職人が生地を手早く伸ばし、厳選されたトマトソースとチーズをのせて薪窯に投入すると、わずか60〜90秒で一気に焼き上がります。表面はサクッと香ばしく、中は驚くほど瑞々しくモチモチとした「コルニチョーネ(縁)」の食感は、熟練の職人技と緻密な温度管理があって初めて成立する芸術品です。