小梅を漬ける工程で最も恐れられるトラブルが「白カビ」の発生だ。梅自体の水分や空気中の浮遊菌が原因となるが、食品加工産業の現場で用いられる衛生基準を家庭に応用することで、失敗のリスクを限りなくゼロに近づけることができる。
容器の煮沸消毒はもちろんのこと、水気を完全に拭き取ったあとに度数35度以上のホワイトリカーや食品用アルコールスプレーで容器内部と梅の表面をまんべんなくコーティングする手法が極めて有効だ。梅酢が上がってくるまでの数日間は毎日静かに容器を揺すり、全体に塩分と酸を行き渡らせる。梅酢に完全に浸かった状態を維持することこそが、防腐剤を一切使わずに一年以上の長期保存を可能にする鉄則である。