長年親しまれてきた赤門の通行が突如制限されたのは、2021年2月のことでした。東京大学が発表した公式リリースによると、定期的な維持管理の一環として実施した耐震診断の結果、震度6強から震度7クラスの大規模地震が発生した場合、門全体および両脇の番所(番屋)が倒壊する恐れがあることが判明しました。
赤門は本郷通りに面しており、東大の教職員や学生のみならず、近隣住民や観光客など1日あたり数千人規模の往来がある幹線エリアに位置しています。もし大地震によって巨大な木造建築が崩落すれば、通行人や避難経路に致命的な被害を及ぼしかねません。大学側は人命最優先の危機管理判断として、即座に門の扉を閉じ、門直下の通行を全面禁止する措置を講じました。
「歴史的建造物としての価値を守る以前に、公道に面した教育機関として市民の命を守る義務がある」――当時、施設管理関係者が苦渋の決断として語った通り、危険箇所の応急封鎖は避けられない選択でした。現在も門の前には立入禁止のバリケードが設置され、安全確保が図られています。