「何も楽しくない疲れた」心の限界サインと突然の無気力を解く処方箋

「何も楽しくない疲れた」心の限界サインと突然の無気力を解く処方箋

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SNSや相談窓口に寄せられる当事者たちの生々しい告白には、共通するパターンが存在します。

「朝、アラームが鳴っても体がベッドに縫い付けられたように動かない」「以前なら週末の推し活や旅行が何よりの生きがいだったのに、チケットの予約サイトを開くことすら苦痛になった」「お風呂に入る、歯を磨くといった当たり前の日常動作に何時間も気合を入れなければならない」――こうした悲鳴は、決して特殊な人たちのものではありません。むしろ、真面目で責任感が強く、周囲の期待に応えようと努力を重ねてきた人ほど、この隘路(あいろ)に迷い込みます。

社会学や臨床心理学の現場では、これを「過剰適応」の末路として分析します。組織や家庭の中で弱音を吐かず、常に「期待される自分」を演じ続ける人々は、知らず知らずのうちに自己の内部リソースを削り取っています。さらに常時接続が当たり前となったデジタル環境が拍車をかけます。業務時間外でもチャットや通知に神経をすり減らし、余白の時間をSNSの刺激で埋め尽くす生活は、脳の扁桃体を絶えず興奮させ、神経系を休ませる隙を与えません。

多くの当事者が口を揃えて語るのは、「限界を迎える直前まで、自分が限界だと気づかなかった」という事実です。痛みに耐えること、疲労を押して働くことを美徳とする社会通念が、本人の感覚器官を麻痺させ、臨界点突破の発見を決定的に遅らせているのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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