セルフネイルケアの需要が高まる一方、皮膚科やネイルサロンの現場では甘皮処理のやりすぎによる爪トラブルの相談が後を絶ちません。美しさを追求するあまり、本来削るべきではない組織まで傷つけてしまうケースが目立っています。
爪の根元にある皮膚の境目には、爪を外部の細菌や乾燥から守る「エポニキウム(爪上皮)」が存在します。このエポニキウムから爪の表面に向かって薄く張り付いている不要な角質が「ルーズスキン」です。甘皮処理で取り除くべき対象はあくまでこのルーズスキンですが、多くの方がエポニキウムごとニッパーで根こそぎカットしてしまいます。
保護膜である皮膚を失うと、爪を作る器官である「爪母(そうぼ)」に直接ダメージが届き、新しく生えてくる爪が横段状に波打つ、白濁する、あるいは爪周囲炎を引き起こして赤く腫れ上がるといった重篤なリスクを招きます。良かれと思って行ったケアが、かえって爪の健康と美観を損なう要因になっているのです。