ゴールドシップの気性難の背景には、日本競馬史に残る名血筋「ステイゴールド×母父メジロマックイーン(通称ステマ配合)」のDNAが存在します。オルフェーヴルやドリームジャーニーらと同様、爆発的なスタミナと類いまれな勝負根性を受け継ぐ一方で、強烈な気性の荒さも内包していました。
しかし、動物行動学の観点や厩舎関係者の証言を丹念に追うと、ゴールドシップの行動は単なる「狂気」ではなく、「人間を理解しすぎるほどの極めて高い知性」に由来していたことが分かります。
調教助手や獣医師の観察によると、ゴールドシップは以下のような行動特性を明確に示していました:
- 人間を見て態度を変える:新米スタッフや気の弱い人間には威圧的な態度を取り、叱る人・甘えさせてくれる人を完璧に識別していた。
- 力の抜きどころを把握している:調教(追い切り)で「これ以上走ると苦しい」と判断すると、自分からブレーキをかけてサボる術を身につけていた。
- 怪我をしない走り方:生涯で28戦を消化しながら大きな屈腱炎や骨折を起こさなかったのは、限界を超えて身体を酷使しない知恵があったためと推察される。
つまり、彼は「馬」として本能のまま走っていたのではなく、「人間社会のルールを察知した上で、自分の気分に合わせて振る舞う天才」だったと言えます。