司法権の独立が不可欠とされる最大の理由は、「少数者の権利の保護」にあります。
国会や内閣は多数決によって動く政治機関です。選挙で選ばれた多数派の意見が政策に反映されるのは民主主義の基本ですが、時として多数派が少数派を不当に弾圧したり、基本的人権を侵害する法律を作ってしまったりする危険性があります。
裁判所には、国会が作った法律や行政の行為が憲法に違反していないかを審査する「違憲法令審査権(憲法第81条)」が付与されています。この権利を行使して「憲法の番人」としての役割を果たすには、多数派の政治権力から完全に切り離されていなければなりません。
自分が社会的な少数派に立たされたとき、最後の頼みの綱となるのが独立した裁判所です。司法の独立は、政治家のためではなく、私たち国民一人ひとりの自由と平等を守るための防波堤なのです。