小児科の救急外来において、深夜に駆け込んでくる保護者から最も多く聞かれるのが「熱せん妄と急性脳症の違いが分からず、パニックになった」という声です。どちらも高熱に伴い普段と異なる行動を見せますが、その危険度と医学的アプローチは根本から異なります。また、手足をガクガクと震わせる「熱性けいれん」との鑑別も迅速な処置の上で欠かせません。
以下の比較表は、臨床現場で医師がチェックする判断基準をまとめたものです。
最大の見極めポイントは「時間の長さ」と「親との意思疎通が戻る瞬間があるか」という2点に集約されます。熱せん妄であれば、どれほど激しく泣き叫んでいても、十数分が経過するとフッと緊張が解け、水分を一口飲んだり親の胸で寝入ったりして普段の表情を取り戻します。一方で、1時間を過ぎても親の顔が分からず虚ろな目をしている、あるいは呼びかけを無視して深い眠りから全く目を覚まさない場合は、脳症の疑いが極めて高くなります。