『刑事貴族』の語り草といえば、何と言っても主役がバトンを繋いでいった異例の変遷劇だ。シリーズ冒頭でクールかつダンディな牧刑事役を演じた舘ひろしは、英国車ガゼールを駆り、独自の美学に溢れたアクションで作品の方向性を決定づけた。
続いて登場した郷ひろみ演じる風間刑事は、華やかさと哀愁が同居する独特の存在感を発揮。そしてシリーズの顔として長きにわたり愛されることとなった水谷豊演じる本城慎太郎の登場により、作品は完成されたコメディ要素と洒脱なサスペンスの域に達した。「あついやつ」をはじめとする軽妙な台詞回しや、愛車バンデンプラ・プリンセスを駆る本城のキャラクター像は、水谷豊という稀代の名優だからこそ生み出せたハマり役と言える。