小野田氏の波乱に満ちたドキュメントは、没後も国内外で語り継がれている。フランス人監督によって制作され、国際的な評価を得た映画『ONODA 一万夜を越えて』は、彼の孤独と狂気、そして極限状態における人間性を描き出し、大きな話題を呼んだ。
また、NHKをはじめとする国内外の放送局が制作した歴史ドキュメンタリー番組や、Netflixなどの動画配信プラットフォームで配信される数々のノンフィクション作品を通じて、若年層の視聴者も彼の存在を知ることとなった。映像を通じて描かれる彼は、単なる過去の戦争の生き証人ではなく、苦難の中でいかに自己を保つかという不変の問いを投げかける存在として評価されている。こうした映像作品の普及が、現代の視聴者に対して「彼に家族や子どもはいたのか」という関心を再び呼び起こす契機となっている。