建物本体の解体が確実視される中、都民やアートファンから最も熱狂的な視線が注がれているのが、青山通り側の正面広場に鎮座する巨大彫刻、岡本太郎作「こどもの樹(き)」の行方です。
1985年の開館に合わせて制作されたこのパブリックアートは、高さ約10メートル、大小さまざまな子どもの顔(喜怒哀楽の表情)が四方八方に枝分かれした樹木のように広がる、岡本太郎の代表的傑作の一つです。青山通りを歩く人々に半世紀近く親しまれてきたランドマークであり、SNS上でも「建物は壊されても、こどもの樹だけは絶対に現地に残してほしい」という保存嘆願の声が絶えません。
東京都都市整備局および文化振興担当者の最新の動向によると、このモニュメントについては「現地保存」または「再開発後の新施設広場への再配置」を前提とした保存方針が固められています。屋外設置から40年以上が経過しているため、解体工事の際には一旦慎重に取り外して専門的な修復・耐震補強を施し、新たな街のメインシンボルとして恒久展示される計画が有力です。岡本太郎が掲げた「子どもの無限のエネルギーと自由な生命力」の象徴は、形を変える街の中で未来へと引き継がれることになります。