夜の仕事を辞め、一般企業に就職を希望する「昼職転職」の市場では、独自の求人支援サービスや専門転職エージェントが登場しています。かつては履歴書に「水商売」と書くだけで書類選考を落とされる時代もありましたが、対人交渉力や度胸を買う企業も増えつつあります。
しかし、現場の実態は決して甘くありません。転職活動を支援するキャリアカウンセラーは、元ホストたちが直面する「3つの致命的な壁」を指摘します。
第1の壁は「履歴書の空白期間と職歴証明の欠落」です。源泉徴収を行わない個人事業主扱いで勤務していたケースが多く、年金の未納や確定申告の不備が採用時の身元調査で露見することが珍しくありません。第2の壁は「対話スキルの致命的なズレ」です。相手をおだてて気分良くさせ、お酒を飲ませるテクニックは、論理的思考と事実ベースの報告が求められる一般企業の現場では「軽薄で信用できない」とマイナスに作用することがあります。
そして最大の障害となるのが「給与ギャップに対する耐性」です。現役時代に月数十万から数百万円を手にしていた感覚が抜けないまま手取り20万円台の生活に突入すると、家賃や嗜好品のグレードを落とせず、数カ月で挫折して再び夜の街へ舞い戻ってしまうケースが後を絶ちません。
一方、私生活において元ホストたちの結婚事情に目を向けると、現役時代の派手な交友関係を完全に断ち切り、自分を「一人の人間」として支えてくれた堅実なパートナーと結ばれることで、劇的に生活を更生させる事例も見受けられます。過去の栄華を語らず、身の丈に合った幸せを受け入れられるかどうかが、第二の人生の分水嶺となります。