Googleの検索窓にブランド名を打ち込むと、サジェスト候補として「アイスの実 販売終了 理由」や「アイスの実 売ってない」といった不穏なフレーズが並びます。愛用者にとっては不安を煽られる言葉ですが、江崎グリコによる公式発表資料や流通在庫データを確認する限り、ブランド自体の販売終了という事実は一切ありません。
では、なぜこのような噂が定期的にネット上で拡散するのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの要因が存在します。
第1の要因は、「通年定番品」と「期間限定フレーバー」の激しい入れ替わりです。ブランドの絶対的エースである「アイスの実 濃いぶどう」や柑橘系などの定番品は年間を通して供給されているものの、季節限定のフルーツやデザート系フレーバーは、約2〜3ヶ月のスパンで次の企画商品へと切り替わります。お気に入りのフレーバーをリピートしようとした消費者が、突然店頭から消えた様子を目の当たりにし、「終売した」と誤認してSNSに投稿するケースが後を絶ちません。
第2の要因は、アイスクリーム売り場における「季節ごとの棚割り争奪戦」にあります。大手コンビニや量販店では、気温が下がる秋口から冬場にかけて、濃厚なミルク系やチョコレートアイスのフェイス(陳列面積)を拡大します。氷菓に分類されるフルーツ系シャーベットは陳列数が絞られる傾向があり、冬季に「近くのコンビニでアイスの実が売ってない」という状況が局所的に発生しやすくなります。
第3の要因として見逃せないのが、過去のパッケージ形態の変更にまつわるノスタルジー体験です。1986年の発売当初、アイスの実は紙製の箱型パッケージに複数色のフレーバー(リンゴ、オレンジ、ブドウなど)がミックスされて封入されていました。2009年以降、単一フレーバーのパウチ袋へと完全移行したため、「昔の箱に入ったミックス味がなくなった=アイスの実が終わった」という古い記憶の結びつきが、今なおネット検索の残響として残っています。