「オーブンレンジの余熱に20分も待てない」「平日の朝から大掛かりなオーブンを使いたくない」という声から注目を集めているのが、ダッチベイビーをオーブンなしでトースターで作る方法です。しかし、ネット上に散見される「トースターで誰でも簡単放置」という甘い言説を鵜呑みにすると、ほぼ確実に生焼けか炭化の悲劇に見舞われます。
トースターの最大の特徴は、ヒーター管と生地の距離が極めて近い点です。1000W以上の高出力トースターは立ち上がりが早い半面、庫内全体の対流熱ではなく「赤外線の直射」で加熱します。そのため、ダッチベイビーが上に膨らみ始めた瞬間に天井のヒーターへ生地が接触し、中が生焼けのまま表面だけが真っ黒に焦げ落ちてしまうのです。
トースター調理を成功させるための実践的プロトコルは以下の通りです。
- トースターの空焚き予熱(3〜5分):庫内と耐熱皿をあらかじめ最高温度まで温め、温度差をなくします。
- バターを溶かして生地を投入:ジュワッと泡立つスキレットに生地を流し込み、素早くトースターへ戻します。
- アルミホイルの防護壁:焼き始めから約3〜4分、生地の縁が立ち上がり始めたタイミングで素早く扉を開け、上部にふんわりとアルミホイルを被せます。この際、ホイルがヒーターに触れないようドーム状にして熱風を対流させます。
- 余熱蒸らし:加熱終了のタイマーが鳴ってもすぐに取り出さず、庫内に3分ほど放置して芯まで熱を通します。
トースターでも十分に美味しい仕上がりが可能ですが、オーブン特有の「均一な対流熱によるダイナミックな高低差」を100%引き出すには、やはり深さのあるオーブンに軍配が上がります。