子供を持たない選択をした久米宏が、人生のすべてを分かち合ってきた唯一無二のパートナーが、妻の久米麗子氏である。
スタイリストやファッションプロデューサーとして活躍してきた麗子氏との出会いは、久米がまだ駆け出しの若手だった時代にまで遡る。1969年の結婚以来、二人は互いの自立した個性を尊重し合いながら、クリエイティブな同志として人生を共にしてきた。
かつて久米がカメラの前で見せていた洗練されたスーツの着こなしや、どこか洒脱な色気を感じさせるスタイリングの多くは、麗子氏の手腕によるものだった。夫婦でありながら、プロフェッショナルとして対等に向き合う関係性。生活感を画面に持ち込まないストイックな姿勢は、二人が築き上げた美意識そのものだったといえる。