表面をうっすらと覆う美しい白粉。干し柿に馴染みのない若者は時にカビと勘違いすることもあるが、これこそが極上の甘みが凝縮された証拠である。果実内部のブドウ糖が表面に染み出し、乾燥して自然に結晶化した芸術だ。
この粉を均一に美しく吹かせるには、職人の「揉み(もみ)」と呼ばれる熟練の技術が欠かせない。その日の天候や柿の収縮具合を見極め、指先で果肉の弾力を確かめながら絶妙な力加減で揉み込んでいく。力を入れすぎれば果肉が破れ、足りなければ水分が均一に抜けない。一朝一夕の機械化では決して真似できない、職人の勘と経験が息づく繊細な作業だ。