「郵便局の看板を掲げているのだから、庶民に優しく融資してくれるはずだ」——こうしたイメージが、「審査が甘い」という誤った言説を生み出す土壌になっています。しかし、融資の構造を把握している金融の専門家から見れば、この認識は根本から覆ります。
ゆうちょ銀行が提供している住宅ローンの実態は、同行が貸主となる自社融資ではありません。ゆうちょ銀行は「媒介(代理販売窓口)」として機能しており、実際に融資を実行し、審査を行うのはソニー銀行およびSBI新生銀行です。また、長期固定金利の選択肢として住宅金融支援機構と提携した「フラット35」を取り扱っています。
すなわち、ゆうちょ銀行の窓口で申し込んだとしても、審査のテーブルに乗るのはソニー銀行やSBI新生銀行の厳格な審査基準です。ネット銀行系の住宅ローン審査は、人情味や地域密着型の裁量審査を行う信用金庫や一部の地方銀行とは異なり、年収、勤続年数、信用情報、返済比率(DTI)をシステムで機械的にスコアリングする傾向が顕著です。したがって、「ゆうちょだから通りやすい」という事実は構造上あり得ません。